2021年6月25日金曜日

鍛冶屋のつくる刃物

  幼少期に遡ると、男の子はヒーローにあこがれる。そしてヒーローが悪者を倒す場面で活躍するのが「武器」となる。それは銃類であったり、刀などの武具など様々であり、これを手に入れれば自分もヒーローになれるという夢を見て真似をするのが男の子だ。

 武器にキラキラしていた男の子達もやがて大人となり、非現実的な武器から現実に所有することのできる「武器」を「道具」という表現に置き換え、ガキの頃に戻れる時間を楽しむ大人も多いことでしょう。

 大人になったガキの身近な武器としては刃物が打って付けでしょう。危険・美しさ・無骨さ・奥深さは魅力です。そして時代はアウトドアブーム、野外で活躍する刃物は大人になったガキ共の武器となったようです。

 武器という表現はここまでにしておいて、この先は「道具」とします。

測量屋である私は仕事で山へ入ることが多々あります。山へ入れば木の枝を落とし、藪を切り開き進まなければいけません。そんな時、刃物はなくてはならない道具となります。付け加えてテント生活は当然料理もしますので、包丁が必要ですが、持ち物を増やしたくないという理由で仕事とテント生活をこれ一本で済ませています。


 このような形状の刃物を剣鉈(けんなた)というそうです。鉈であり、剣である。鉈の要素は仕事で山へ入った時の道具として、剣の要素は私の場合、主に料理ですね。肉を切ったり野菜を切ったり。剣を名乗るだけあって、日常の家事で使うには十分な切れ味です。

 切れ味と言えば、この剣鉈の鋼材は安来鋼 日立金属青紙二号。刃の形状はコンベックスエッジ、切れ味が長続きし、硬度があり刃が欠けにいといった特性。タフさを求めるので、切れ味が鋭い白紙よりも青紙を選んだ次第です。最初から鋼材は青紙二号ときめていたんですけどね。

 刃幅が4㎜ありフルタング構造なので、焚火で巻き割り(バトニング)にも無理なく使えます。(わたしは焚火はやりませんけど)

 半年使いましたが、この刃物は日常の生活から、山まで無難にこなしますね。熊本の川尻町は刃物の町なのでこの形状の刃物を探したのですがしっくりとくるモノがなく、ネットで調べこの刃物に決めたわけで、産地は土佐の鍛冶屋で打たれたた刃物です。

 購入してから半年、まだ一度も研いではいませんが、必要に十分な切れ具合を保ってくれています。

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