2021年6月10日木曜日

フクの尻尾

 フクの尻尾は優しい尻尾です。怒ったところをみたことがありません。表の道端で近所の子供たちが遊んでいても吠えることもなく、一緒に遊びたがる様子もなく、じっと様子をうかがい、まるで見守っているような感じです。

 お腹が減ったら小刻みに尻尾の先っぽを動かして腹減ったアピールします。ご飯の時間には早いので「まだ早いよ」と言えば、そのうち諦めてゴロンと横になります。それでもわたしの一挙一動に敏感に反応し、ちょっとした動きを見せればまた小刻みに尻尾の先っぽを動かしアピールしてきます。これが3回も続けば私の根負けです。「ご飯たべようか」の一言で尻尾はブンブンmaxです。ワードをちゃんと理解しているようです。


 一緒にいる時は繋いでいません。いつも傍らで寝ています。脱走なんて言葉は皆無で、ほぼテントの中にいますが暑くなったら玄関の軒下に避難しています。玄関のタイルの上はヒンヤリとしていて日陰だし風が通り、気持ちがいいのでしょうね。

 フクのすべての行動がゆったりになりました。散歩のときはわたしの後ろをトコトコと尻尾を大きくゆっくりと振りながらついてきます。尻尾でバランスをとっているようです。でも散歩の帰り道では大きく振れていた尻尾は垂れ、少しだけ呼吸が早くなり息があがっている様子です。そんな時はちょっと休憩です。道端に座り撫でてあげると尻尾の先っぽを小刻みに振り出します。うれしいのでしょうね。休憩も「おかえりしようか」を合図に終了です。垂れ下がっていた尻尾もちょっとだけ復活です。

 狭いテントの中フクの尻尾は破壊の尻尾となります。「ご飯たべようか」「散歩いこうか」「おやつたべる」ご飯、散歩、おやつ、このワードは要注意です。このワードを耳にした瞬間、尻尾はブンブンmaxです。被害はコーヒカップ、バーナー、パソコン、ケルト、ありとあらゆるものです。
 コーヒカップをこぼした時にはさすがに説教しましたが、シュンと申し訳なさそうな顔をする姿は今でも思い出しますが、要はわたしのタイミングが悪いだけなんですよね。破壊される恐れがあるものはあらかじめ退避させて合図を送ればよかっただけなのです。喜ばせといて、理不尽な反省をさせるなんて、フクにしてみれば天国と地獄、わたしが反省しなくてはいけませんでした。


 フクの尻尾は優しい尻尾です。いままでも、これからも。

 今日の蛍は1匹。もうシーズンも終わりかな。そんななか静まり返った夜道に響き渡る甲高い鹿の鳴き声。
 
 暗い夜道、地球は人間だけのもにじゃないんだななんて思いながらのフクとの夜の散歩なのでした。

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