2018年1月22日月曜日

芋羊羹におもう日本的な黄金比

Facebookにアップしてあった羊羹の画像がとても品があって良かった。
https://www.facebook.com/naoko.miyakawa.9/posts/1530252487052840?pnref=story



これは船和浅草本店の芋羊羹だそうだ。http://funawa.jp/shop/

この画像を見て品が良いと思うからには、そこには何かがあるはずである。例えば黄金比のようなものが。

そこでちょっと調べてみた。日本の代表的な四角いものといえば畳でしょうね。でもこの畳にもいろいろとサイズがあり、京間・本間6尺3寸×3尺1寸5分(191cm×95.5cm)江戸間、現代に至っては、団地間。これらは寸法こそ違えども、縦横の比率は1:2である。

次に思いついたのがまな板。これも用途によりいろいろなサイズがあるものの、伝統的な寸法として360mm×180mmとなり、これも縦横の比率は1:2であった。

偶然は続くものだ、では羊羹の比率はというと残念なことに1:3であった。日本的な黄金比が1:2と仮定すれば、この羊羹も同じ比率であるだろうという推測は外れていた。



外れていたからこそ面白い。ではなぜ、1:2ではなく1:3なのかということになるのだが、芋羊羹だけでは信憑性に欠けるので、船和さんの他の羊羹をみてみた。



ちゃんとありました1:2の比率の羊羹。こうなると更に疑問がわいてくる。1:2、1:3と統一性に欠けるではないのかという疑問だ。一般に黄金比といえば近似値1:1.618、約5:8の比率と中途半端な縦横の比率となっている。それに対して日本の比率は縦1に対して横は整数Xでありキリが良い。縦を1とすると横は各々2と3にきれいに分けることができるということだ。

羊羹の起源は鎌倉~室町時代とされているようだが、今の主流である羊羹は江戸時代後期になってからだそうだ。江戸時代後期といえば寒冷による飢饉が人々を苦しめたといわれる。そんな中で羊羹などのお菓子は贅沢品であったのは間違いないだろう。そんな贅沢な品を食べるにあたり当然家族で分け合うわけだ。その分け合う過程で1:2や1:3は2等分と3等分である。目分量でも分けやすい。子供達に大小の違和感を与えることなく公平に分け与えることができる。子供達が食べ物の大小を見比べるという行儀の悪さがないように、それによって兄妹喧嘩などという不躾を未然に防ぐ、すなわち家族内の和を乱さない比率でもあったのだろう。代表的な和菓子の餅や饅頭も円であり半分にも4等分にも分けやすい和である。

Facebookにアップしてあった羊羹の画像を見て品が良いと思ったのは、潜在的に「和」を感じることができたからなのかもしれない。

2月の浅草には行けないが、9月の暑気払いには参加して船和浅草本店の芋羊羹を食いたいものだ。

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