2016年9月9日金曜日

愛着の一着

こいつとは30年近くの付き合いになる。
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肌寒くなってくるこの時期こいつを引っ張り出してオイルを塗りこみ、柔らかくなった革に袖を通し、今年の冬もこいつでいけることを確信し安心する。
安心とは、この冬もこの革を着れる体型であっあこと。この革がまだまだ現役であること、単車乗りとして冬を走る切る覚悟が萎えていないことである。
思い起こせば単車を降りて車主体の生活になってからというもの体重が100㎏近くまで増えた時期があったが、3年前から再び単車に乗るようになり体重も当時に戻りつつある。
体重が100㎏にもなれば20代に買った革が体にフィットするはずもなく、袖を通すことのできない時期が長く続き、おのずと手入れも疎かになりその結果、革は随所にひび割れを起こし、カビが生え、一気に劣化が進行した。それでもなんとか辛抱して耐えていてくれた。
今期の冬でわたしも50歳になる。寒い冬を単車を移動手段とするにはちょっとした覚悟も必要なのだが、体調的には問題ないく万全。
暑い、寒い、濡れる、危ない、それでも単車乗りは単車に乗る。利便性、快適性、安全性は度外視、傍から見れば理解に難しいだろうけど、ある種の変態なのだから仕方ない。同じく、革ジャンなんてものは防寒性などほとんど期待できない。それでも革ジャンを着るという変態の上乗せである。変態は視野が狭く、しかも頑な。単車には革ジャンという固定観念はどこから刷り込まれたのだろうと考えると、20代に読んでいた片岡義男のダンディズムなのだろうかとも思うのだ。
ともかく、こいつとはこれからも長い付き合いになるだろう”愛着”に値する一着なのだ。

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